INTERVIEW

インタビュー

2018.10.03

アスリートJob

インタビュー vol.4 現役陸上競技選手 尾又 平朗さん

現役陸上競技選手 尾又 平朗さん アスリートjob インタビュー vol.4
現役陸上競技選手(走高跳、走幅跳、三段跳)
XSPO ~Total Sports Community~ 代表
尾又 平朗さんOMATA TAIRA

自分を認識してその価値を上げていくのは、
ほかでもない、自分自身。
人にどれだけ影響を与えるかで価値が上がる。

中学校で陸上部に入り、実は最初は幽霊部員。3年生の時の顧問の先生が、熱く根気強く教えてくれた走高跳の技術を身につけ結果が出したことがきっかけで、陸上の道に進むことを決意。学生時代から自分自身で練習メニューを考えていた経験もあり、実業団などには入らずフリーで活動を続け、2014年には走高跳で、全日本実業団選手権優勝、また全日本選手権では第4位という成績を残した。現在は、マネージメントやスクールなどの事業を手掛けるXSPOの代表を務めながら現役で選手活動を続け、3種目(走高跳、走幅跳、三段跳)で、世界ランキング上位の人にしか出場権がないダイヤモンドリーグ出場を目指し奮闘中。

アスリートJob’s EYE!

尾又さんは一見、個性の強いアスリート、のように映りますが、話をしていくと、とにかく奥深く、そしてプロ意識が非常に高いトップアスリート。やはり、他のトップアスリートと同じように、圧倒的な自己認知力があり、また何事にも自己責任に基づき、他者に頼らないで果敢にチャレンジする行動力は抜きんでている。尾又さんの考え方と行動は、アスリートのデュアルキャリアにも大きなヒントになるはず。一人のビジネスパーソンとしても非常に優秀。この考え方と行動は、ビジネスパーソンにも絶対に参考になる。

悔しさから始まり、先生との出会いで変化

Q.陸上競技を始めたきっかけは?
僕は子どもの頃から、あまり運動神経が良くありませんでした。小学校の頃はむしろ足が遅いくらいで、女子よりも遅かったと思います。それが悔しかったのか、どうやったら早く走れるかと、100m走と走幅跳の練習をしたのがきっかけでした。中学校でも陸上部に入り、最初は幽霊部員だったのですが、千葉県記録保持者で走高跳選手だった顧問の先生の影響を受け、3年生から走高跳を始めました。女性の先生だったので、僕は今でも女性跳びなんです!(笑)
Q.どのように結果がでたのですか?
今思えば、それまでは何となく練習をしていたのですが、先生の教え方が僕に合っていたのか、時には厳しく、でも根気強く教えてくださったおかげで、毎日の練習にも力が入り、自然と記録が伸びていったんです。ゼロから始めて、初めて1ヶ月で県大会標準記録、2ヶ月目に県で2位、4ヶ月目で全国4位となりました。練習時間は他の人の5倍はしていましたが、楽しくて楽しくてずっと飛び続け、気が付いたら空が暗くなっているということがよくありましたね。時には先生と喧嘩をして反発しながらも、向き合って信頼関係を築いてくれたその先生にはとても感謝しています。

挫折から這い上がったあとのマインドセット

Q.順調に記録を伸ばしていったのですか?
中学卒業後、千葉県にある成田高校に入学をしたのですが、陸上の名門校だったこともあり、練習がとにかく厳しくて、すぐに心が折れて辞めてしまったんです。陸上の推薦で入学していたことで学校も辞めるつもりだったのですが、担任の先生に「辞めるな!」と3時間説教をされて(笑)、退学を断念。でもそのおかげで、もう一度立ち直るタイミングには、「絶対に日本一になる!」という強い決意をもって復活をしました。
Q.挫折後すぐに、また陸上に集中できたのですか?
当時から、人と考え方が違って変わっていたと思います。競技専門の顧問の先生がいなかったので、先輩にアドバイスをもらいながら、自分で練習メニューを考えなければならなく、でも逆に自分にはそれが合っていたと思っています。挫折の原因は、競技が嫌だったわけではないので、復活後はとにかく夢中になって練習していたと思います。人に言われてやるのが苦手で、失敗したら自分の責任だと思いたかったので良かったのかもしれないですね。高校2年生でインターハイ出場。3年生ではインターハイ4位になって、でも「1番になれなかった」という悔しさが原動力となり、大学進学後も続けたいと思い東海大学でも競技を続けました。

自分と競技の価値を上げる方法

Q.プロから起業の転換にはどんな思いがあったのですか?
大学卒業後の進路はとても悩みましたが、プロになるしかないという思いがありました。運良くスポンサー企業が見つかり、プロに割と近いかたちで、1日8時間競技場にいるような生活をしていました。その成果もでて、卒業後3年目くらいには、日本代表にも選ばれるくらいまで成績が伸びていたのですが、それでもなかなか上がらない世間の関心や給料など、「今の陸上の価値はこんなものか。」という思いが沸いてきて、そこから考え始めるようになりました。まわりにもそういう選手も多くいて、でもこれが現実。自分の社会的価値はこの程度で、上がらないなら自分で価値をあげられるように頑張らないと。自分でクリエイトしていかないと、と思うようにもなりました。
Q.起業までに、どんな苦労がありましたか?
「普通と違ったブランディングでやっていきたい、発信したい。世の中のリアルを発信できる人になりたい。」と思っていました。叩かれてもいい、共感してくれる人がまわりにいてくれればそれでいいと。でも、やっぱり自分で事業をやるような知識もノウハウもなかったし、自分で経営するという選択肢がそもそもありませんでした。結果、自分で事業をしていくという道があることに気付くまでに時間を費やしてしまいました。もし、その選択肢があるということを知っていれば、それだけでもっと違った角度からキャリアを考えることができたと思います。

アスリートの時間の使い方

Q.アマチュアスポーツに感じる課題はありますか?
働きながら競技をしている選手は、「会社に勤めているけど、競技をやめたら会社も辞める。」これが実情だと思います。もっと別の形態で双方が擦り合わせて、企業のニーズにも合い、アスリートも自分たちのやりやすいものを作る必要があると感じます。アスリートは、現役を終えた時点でアスリートとしての価値は下がっていくと僕は思っているので、価値が高いうちに次のことを始めないと自分の価値を最大限に生かせないと思います。スポーツに集中している時間も大事であることはわかりますが、それ以外の時間を、自分の魅力を高めるための時間に費やしてもいいのではないかと思います。
Q.現役選手としてのトレーニングの時間以外はどんなことをされていますか?
小学生へのスクールなど普及活動も積極的に行ったり、街中で走高跳のパフォーマンスをしたり、おもしろいイベントなどにはどんどん参加するようにしています。一般の方は競技場に足を運ぶことがなかなかないですし、競技場で2m30cm跳ぶよりも、街中で2mを跳ぶ方がよっぽどおもしろい。僕はそう思っています。自分でいろいろできる時代なので、アスリート自身がもっとできることがあって、発信していくべきだと思います。
Q.競技力向上のためにしていることはありますか?
自分の競技力を向上させてきた人は、自分でなんでもできるようになると思っていて、あとはやることを変えるだけ、だと思います。だから、アスリートとして培ったそのプロセスを踏む力を競技以外に活かして、社会に貢献したり、自分の魅力をどんどん高めることができればいいと思っているので、僕は金髪や派手な格好をしたり、大会会場でお客さんを煽ったりということも、他の人よりはしていると思います。日本のスポーツは教育という観念が強いと言われていますが、エンターテイメントの要素も大事で、海外のように魅せるスポーツを極めていきたいと思っています。お客さんや人に楽しんでもらうことが何よりやりがいになり、それが必ず自分たちに返ってくると感じています。

今後の目標と現役アスリートへのメッセージ

選手としては、世界で戦える力をつけて、3種目(走高跳、走幅跳、三段跳)のどれでもいいので自分の身体と相談をしながら、世界各国を転々として開催されている世界トップランキングの選手にしか出場資格がない「ダイヤモンドリーグ」出場を目指し、日々トレーニングをしています。
マイナースポーツは特に、競技で結果を出してもなかなか評価をされないということも現実的にはあると思います。今の自分の価値を理解して、文句を言うだけではなく、競技者としての価値を上げたいのであれば、自分の社会的な価値を上げるためにどうすればいいか考え行動することが大事で、ビジネス的にプラスと思ってもらえるように、自分でそれを変える努力をしなければいけないと思います。競技に集中することも大事ですが、現役の時に自分の価値を高めることが大事だと感じているので、別な視点で自分の価値を還元できる場所を作ることが大事だと思います。仕事でも会社でも事業でも好きなことをすればいいと思いますが、トップアスリートは何かを学んできたから、頑張ってきたからそのポジションにいるのだと思うので、そのノウハウを別な何かに生かせるようにしたらいいと思います。今後は民間のプロのような陸上競技のチームを作りたいと思っています。

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